ずっと使うものだから、住まう気分で丁寧に選ぶ
季節が来るたび訪れたい
あの、心地よいメープルの家具店
心を動かす物や出来事に出会うたび、このことを我が家に持って帰って時々思い返せたら、と思う。
家具店でも、しばしばそんなことがある。もし、季節や時間を変えて何度が通ううち、安心感のようなものを確信したら、大切な“暮らしの道具”として一緒に家に帰るといい。
きっと一生ずっとそばにいて、心地よく日々を支えてくれる。
明るい木色、ちょうどいいデザイン。
惹かれた家具に、わざわざ会いに行ってみる。
ある本で『SERVE』という店の家具を見た。明るい木色が清々しくて、サイズやデザインも我が家に合いそうだね、とパートナーと住所を調べると、東京・小金井と神奈川・湯河原の2店。しかもちょっと駅から離れている。「なぜわざわざこんな場所に…?」そんな興味もそそられて、週末行ってみることにした。
小金井公園本店は駅からタウンバスで5分。すぐ横には大きな公園、目の前は玉川上水が流れている。一面ガラス張りの店内へ入ると、ダイニングにリビング、ベッドとナチュラルな家具が並んでいて、漂う木の香りが心地よい。「こんにちは。どうぞ、ゆっくりしてってくださいね」と代表・佐和田誠一さんが声をかけてくれた。お店というより、なんだか友人宅のよう。「どうしてここにお店を?」と聞くと、「利便性だけ考えれば、駅から近い方が確かにいいんですけどね」、「ゆっくり見てもらえる広さ、それも僕たち自身が気持ちいいと感じる環境で、と思ったときにこういう場所に出会ったんです。居心地のいい空気の中に、気がついたら家具がある。普段の生活ってそういうものだと思うから。同じ感覚で、来て、見てもらえたらと」。そんな佐和田さんの言葉以前に、実はもう、代えがたい居心地のよさを感じていた。あぁ、今日はわざわざここに来て、いい一日だなぁと思った。
温泉街を見晴らす高台の店舗兼住居
より生活に近い湯河原店へ
本店のカーペット敷きの小上がりは、本物のリビングのように穏やか。くつろぎながら家具を見るうち、知らず知らずに時が流れた。湯河原店はどんなところだろう。一週間後、足を伸ばすことにした。
山々を見下ろす250坪の敷地。ここでは一組の夫婦が、実際に住まいながら商品を展示・販売している。「もちろん通常はお店として、それ以外は自分たちの家として普通に生活しています」。光あふれるキッチン、見晴らしのよい屋上、秋は窓一面に紅葉が広がるリビングルーム。家具そのものの魅力はもちろん、置き方や使い方、自然に囲まれた環境の中での暮らし方まで『SERVE』のエッセンスを体験できる。
使っている木材について聞いてみた。「明るくて清潔感がありますね。木なのになぜか透明感もあるような…」。「メープル、それも国産のイタヤカエデという素材です。北海道・紋別地方の原生林から毎年特別に切り出してもらっていて、模様のはっきりした部分とテラテラ光るファジーな部分が混じっているから、見る角度によって表情が変わります。いずれ飴色にも変化して、味わいが増していきますよ」。
もう一度、気になる家具を確かめに
小金井公園本店を訪れる
ふたつの店舗を訪れて、自分たちがいいなぁと思う暮らしには、いつもいつまでも信じられる『SERVE』の家具が似合うような気がしてきた。特に気になったテーブルを見に、再び本店を訪れる。
「これ(TBK12)は、二本の反り止めだけで支える天板が浮いたようなデザインと、椅子のアームがすんなり収まる機能を兼ね備えているのが特徴です。あたたかみがありながら、堅牢で力強い。『SERVE』の象徴的商品なんですよ」。一生、いや木が朽ち果てるまで、その家具が家具としての命を全うしてほしい。そんな作り手の想いが伝わってくる。
![]() SERVE 小金井公園本店[サーブコガネイコウエンホンテン ] 東京都小金井市関野町1-7-2 1F ☎042-380-8320 11:00~18:00 ㊡火(除祝) 東小金井駅よりタウンバスで5分 カタログ:有 オンラインショップ:無 www.serve.co.jp |
![]() SERVE 湯河原店[サーブユガワラテン ] 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上744-94 ☎0465-63-6383 11:00~17:00 ㊡水木 湯河原駅よりバス停「藤木橋」下車徒歩15分 ※駐車場有 カタログ:有 オンラインショップ:無 www.serve.co.jp |