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    シンプルな要素で構成された
    ビーム材のマルチなベンチ [HERE]

    HERE ©Hiroyuki Yano

    「身近でよく知られた素材を使い、どこまでシンプルな要素や手数でベンチ足り得るか」。そんな発想から生まれた「HERE」は、インテリアデザインだけでなく、プロダクトやグラフィック等ジャンルを横断して活躍する林洋介氏の新作。建築業界では梁や柱の構造材として見慣れた「ビーム材」を人々に日々見られ触れられる生活空間へと持ち出して、環境に用途をゆだねる自由度の高いアイテムにした。ベンチとして、オブジェとして、2台並べて板を置けばそこはテーブルにだってなるだろう。素材の堅牢さを活かしつつ、これまでにはない素材の見立てが新しい。
    種類は、木製の梁材でできたものと、木と金属の梁材であるH型鋼でできたものの2タイプ。どちらも2本のビーム材を4本の脚で押さえた無駄のない構造。室内はもちろん、屋外でも使用できるよう防腐塗料で仕上げている。

     

    アートと実用が交わった
    “美しく束ねる”コートスタンド [4FB]

    4FB ©Hiroshi Mizusaki4FB ©Hiroshi Mizusaki
    そこにあるだけで美しく、かつ広く一般で使いやすい機能性を。「4FB」は、コートハンガーとして必要な働きに、デザイナーが得意とするミニマルなフォルムとアヴァンギャルドな発想が融合してできた作品。2007年のリリース後、ARアワード特別賞(ロンドン)を受賞する等、国、文化を越えて暮らしに馴染むインテリアとして知られている。
    デザイン時にイメージしたのは、“美しく束ねる”ということ。そのために同フォルムのアルミニウム製フラットバー4本を軸棒へ重ねながら組み付け、スクエアなボディを形成させた。脚元は4本が互いに支え合い、力を逃がしながらバランスをとって安定した対加重性能を保っている。この組み付けの精度を高めるために、製作には約2年を要したそう。金属でありながら有機的な雰囲気があり、ホームユースだけでなく、オフィスやホテルにも愛用されている。

     

    Designer林洋介 ©Takashi Kato

    ◀designer
    林 洋介
    1976年京都生まれ。2001年「14sd」設立、同年JCD(日本商環境設計家協会)DESIGN AWARD 2001大賞受賞。主な作品に「prestoopnik」、「東京タワー型ペットボトル」、「OMOTESANDO KOFFEE」、「smoothday」等。2008年から福岡のデザインイベント「DESIGNING」展を共同主宰

     

    Designer二俣公一 ©Takashi Kato

    ◀designer
    二俣 公一
    ケース・リアル代表。1998年に発表した「CONCENTS」が世界各国で高評価を受け、2000年JAPAN DESIGN Nouvelle Generationにて日本のモダンデザインを継承するデザイナー25名に最年少で選出される。2000年自身のデザイン事務所「ケース・リアル」設立。空間デザインを軸として建築、家具、プロダクトと様々な活動を行う

     

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